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即時グロス決済システム(RTGS)とは

 

即時グロス決済システムとは

即時グロス決済システムとは、英語ではRTGS(Real-Time Gross Settlementの略)。

時点ネット決済と並ぶ中央銀行における金融機関間の口座振替の手法の一つです。

 

時点ネット決済とは

昔は時点ネット決済という方法が使われていました。

時点ネット決済とは中央銀行が実際に振替を行うタイミング(=時点)が、例えば午後1時、3時、5時という具合に予め決まっていて、基本的にこれ以外のタイミングは選べないようになっています。

したがって、銀行が発信する振替の指示には、「相手先」と「金額」(何々銀行に○○円振替えよ)だけではなくて、中央銀行が振替を実行すべき「時点」の指定(その振替は時に行え)も含まれるのです。

この方法は銀行倒産が考えられなかった時代にはうまくいっていましたが、銀行倒産の危険性がある現代においては、決済時に支払うべきお金を持ち合わせていない場合、全ての銀行の支払いが滞る危険性があります。

支払いを滞らせる訳にはいかないので中央銀行は支払い能力がない銀行に対してお金を貸す措置を取りますが、この行為によって、中央銀行が発行する日本円の信頼が落ち、経済困難も引き起こしかねません。

また、銀行側もいざとなったら中央銀行がお金を出してくれるからいいやーと気持ちが緩みます。自分でしっかりやろうという気持ちが薄れてしまうことから、モラル・ハザードを起こしやすいとも言われています。

 

時点ネット決済に代わる即時グロス決済システム

即時グロス決済システムでは、振替の指図が中央銀行に持ち込まれ次第、一つ一つ直ちに実行されます。そのため、個別の銀行がやらかしても他の銀行が受ける影響は少ないです。

1980年代以降、各国の中央銀行において、決済システムのRTGS化を進める動きがみられており、RTGSはいわば「国際標準」となっています。背景には金融取引の増大によって、1箇所がやらかすと他のところにまで多大な影響が出る可能性が高くなったことや、グローバル化によって国境を超えて被害が伝播してしまう可能性が出てきたことがあります。

日本でも時点ネット決済から即時グロス決済へ移行しています。